2015年12月19日土曜日

12/19 全体稽古③

出席者:浦長瀬、鎌田、佐々木、出村、藤田、前田 
担当:三田村

Zombie-4months creationの稽古も3回目。本日はまるまる筒井さんの担当回です。

■チェックイン 

まず皆で輪になり、今の気分や体調はさておきこれからのワークに集中するために、何を「さておく」のかをあえてこの場で皆に言うチェックインを行いました。
筒井さんがフィリピン滞在時に知ったもののようです。


・筒井
ケーブルテレビ、録画はしたものの観れてないものが多い ハードディスクがいっぱい 「未知との遭遇」を見たことがないのだが、消したのは良い判断だったのか?

・藤田
電車で来たかった 先週バイクで転倒しバイクにのるなと母に言われている 今日もバイクで出るなら鍵を隠すからと母に言われた

・前田
プロフィールでの出演作の書き方 朝で頭がぼーっとしている

・浦長瀬
日中の過ごし方を悩んでいる ナイロン100℃の消失が見たい 行くか悩んでいる 祖母のお見舞いに行く ここからどうやって行こうかなと調べている

・佐々木
今のバイト先で前のバイト先の源泉徴収を持ってきてと言われていて、それを忘れているので取りに行かなければと思っている 今日電話したら来週中になるといわれた それを連絡しないと…

・出村

仕事や稽古で疲れている リセットする時間がない 公演の稽古は楽しい ネイルアートのシーンどうしようかな 1つの公演が終わったら別のことが出来るようになっているというのはいい

・鎌田 
色々あるが ある人が急に苦手になることがあり悩む 嫌いな人を好きになる本とか読んだり 林真理子のコラム思い出したり 今回はどういう風に乗り越えるんだろうと思うが不安


皆さんリラックスして「さておく」ことが出来たところで、前回のフィールドワークで撮影した2種類の写真についての課題発表です。
筒井さんからの指示として、本番の上演が行われる芸術創造館・大練習室の広い空間を意識し、イメージしたうえで発表してほしい、とのこと。


■この一枚で5分は喋れるという写真

・浦長瀬
携帯がポンコツであまり写真が撮れなかったが 選択肢として喋りたい事柄について映っている写真を選んだ 浜屋敷で餅つきをやっており お餅が食べたい お餅待ちの列が並んでいた お雑煮の列が短い 行こうかなと思いつつ自分にとってお雑煮は餅料理の中では一位では無いので一位二位を狙いたい⇒きなこ餅に行こう きなこ餅に並んでいる時に撮った写真 行列に幼い兄弟がおり、割りばしをしゃぶっていた 皆お餅を持っている気持ちは一緒なんだなあと思って撮った など



 


・鎌田
高浜神社で新年度のしめ縄を作っていた 遠巻きに見ていたが声をかけてきてもらって喋った 明日の縄づくりに来ないかとか勧誘される 普段何してる人なんやろう? どうやって受け継がれてるんやろう? などが気になった 高浜神社が面白かった すごく広い きれいな色の建物 心があらわれる 巨大な金魚 おみくじ引いて二人とも末吉 文面が的確なアドバイスくれるものだった など



 




・前田
凄いつなぎ目の家の続きにちらっとこの「ぷくぷくショップ」が見えてかわいいと思って行ったが やっていなかった かわいくはしゃぐ気分で置いてあったフライヤーを読んだ 白黒の新聞 版画みたいな新聞 それを手に取って字を読んだら 
ある議員による政治と出生前診断の話について絶対に許すなと書いていた 想像と違う 思想というとあれだけど出自がわかった 活動家のような感じの新聞だった 鎌田さんと話していてみんな思うことがあって生きてるんやなあと思い、救われた など





・藤田
どういう写真を選ぶか? 情報量が多いから選んだ なぜ撮ったか? 止まれと書いてある 止まれが漢字だとひらがなのイメージがある 交差点からの距離が遠くここで止まるの?と思う 調べると2013年から「止まれ」はひらがな⇒漢字に変えていっているとのこと 銀杏の木 マロニーの工場があるが本社とのこと 生マロニーというのがある 正露丸の工場も近くにある 昔はラッパのマークじゃなかった 地球儀の中に誠と書いてある ラッパのマークは4代目である など




 

・佐々木
河川敷に降りて歩いていたら あるモノが落ちていた 3つくらい偏って間隔を空けずに落ちていてこの写真はその中で最大のもの ドスンという感じで存在している 
犬のものじゃない 他の動物が思い浮かばない 人がしたのかなと思う 色が上と下で分かれているのはどういうことなんだろう? 2回に分けたのか? 色んなことが想像される 河川敷のこの辺りは不文律で暗黙の了解で「それ」をしてもいい地域になっているのか? ここだけ片づけられていないのか? 何かのルール・マナーがあるのかなと思った 公共に開かれた場所なのにこんなものがあったということに反社会性を感じた など





・出村
一番最後に撮ってもらった写真 2時間くらいのワークの中で 異様な時間が流れていたので選んだ 楽しい時間を過ごして合気道の道場に行ったが 2ショットの写真を忘れていた いざ写真撮ってもらおうと思うと声かけづらい 撮ってもらうために道中道を聞いた自転車屋に戻ろう⇒戻ったら電話中で声かけられずどうしようかなと そこに駐車場 壁面にいろんな絵が書いてある この前だったら写真撮ってくださいと言い易そう そこに車の修理のお兄さんがいて撮ってもらおうと思った でもこんな絵が好きな女の子に思われるの嫌だなあ 今まで凄く楽しく考えずに歩いていたのにその時間がとても停滞した印象があった 停滞もアクションもありつつよくわからない最後の時間を過ごしたなあ、と思って選んだ など



全員の発表が終わり、休憩を挟んで筒井さんより、会場を想定して発表しよう、というルールを提示したがそれにあたって工夫したことは?と問いかけが。
参加者からは、
・大きい声で話す 座っている人に言おう伝えよう 大きい声で単語がわかるように言おう 
・固有名詞をはっきりと言おう 
・聞いている人が今から何のテーマで何を話すか知らないという想定で、フィールドワークをしていないという設定で話そう 他人という意識で 
・身振りや情報量を増やす 
・前の人の話の流れに乗ろう、前の人の話を入れようと考えた
など。

■何も言わなくてもいい、この1枚で了解できるという写真

 

続いて2枚目の課題の発表です。
それぞれ提出したその写真に対して他の参加者が質問があれば質問します。
とはいえ、そもそものテーマが「何も言わなくてもいい写真」、つまりツッコミどころの無い写真なので、質問も人によってはあったりなかったり。続いて、
 

「この一枚で5分は喋れるという写真」について主に筒井さんが振りかえる

 

・前田さんのぷくぷくショップの写真は前田さんの喋るエピソードがなければわからないもの
・藤田くんの写真は案外
何も言わなくてもいい写真」にも見てとれる 写真に写っているものについて撮影後調査をしていて、取った時点でのプレゼン性は無くそれを後で作ったためか、発表については一番演劇に近い時間だった 喋りたい強い衝動は無く、その写真について伝えやすいと思ったんじゃないだろうか
この一枚で5分は喋れるという写真については、思いが詰まっている・欲求があるタイプ、一枚で完結しているものに付け足したタイプの2つがあるが、自分がやりたかったのは前者である など

課題の写真についての発表は終了。続いて2つ目のワークです。

■ご遺体に挨拶

タイトルの通りお葬式というシチュエーションでご遺体に挨拶する、というワークです。
遺体との関係性で下記の2グループに分けた上で、さらに細かい関係性が指定されました。
また即興で、台詞は無しで、とのこと。
 

①近しい関係であった人の遺体
・藤田…母親

・鎌田…上司
・出村…親しい友人

②あまり接触がなかった人の遺体
・佐々木…高校時代のクラブの先輩

・前田…あまり接触は無かった隣家のおばさん
・浦長瀬…友達の弟の彼女

 

全員一巡後、それぞれの「挨拶」に感じた印象についてグループ同士批評しあいました。

①近しい関係であった人の遺体グループ
・藤田…悔しさ 近しい関係 親 子供 友達 強い絆 などが感じられた
・鎌田…その人のことを好きじゃなかったのかな?そんなに強く執着がないような印象 嫌いな人かもしれないが合掌が長く、帰るときに遺体を見た目で、強いつながりがあった人のような気がする 何かしらあったけど思いが強い感じ
・出村…どこかのタイミングで死ぬのがわかっていた人なのかな 滞在時間が短かったんで判断が難しい 思いはあるけれど死自体は納得できる 眺めている時間は多かった 割り切れてる感触

②あまり接触がなかった人の遺体グループ
・佐々木…親密な思い入れは無さそう 付き合いは言い過ぎかもしれないけど、皆が参列するから参列しました感があった クラスメイト 
・前田…親族までいかないけど好意はある 昔の担任くらいの距離感 近しくはないでもありがとうって言ってるような感じ 昔お世話になったような感じ
・浦長瀬…ただ葬式を見てみたかった 近所の人 知人 悲しくはない 悲しいよりは遺体がそこにあることに興味がある感じ

結果、皆さんそれぞれのパフォーマンスは見事に見る側にとってほぼ正解を当てることが出来るものでした。

加えて筒井さんから、今年逝去した哲学者・鶴見俊輔による著書・限界芸術論においては、葬式、結婚式やかるた会やデモ、お祭りといったものは「生活」と「芸術」の重なり合う「限界芸術」の具体例の一つと紹介されており、私たちは舞台を降りた日常においても、そういった場と関わるために、必要な「演技」を常々行っているのではないか、そして今回はそういう要素を盛り込んだ形で作品を創ろうとしています、という説明がありました。
そう、演技とは決して舞台上の俳優のものだけではありません。私たちは知らず知らずのうちに絶えず「演技」をしています。広い意味で「演技」とは一体何かということを思考させる、思考できる作品を創ろうとしているということかもしれませんね。

因みにググったらすぐ出てきますが、限界芸術論についてはこの辺りを↓。
私も聞いたことはあれど実は読んだことはないんですよね…

http://artscape.jp/artword/index.php/%E3%80%8E%E9%99%90%E7%95%8C%E8%8A%B8%E8%A1%93%E8%AB%96%E3%80%8F%E9%B6%B4%E8%A6%8B%E4%BF%8A%E8%BC%94

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%90%E7%95%8C%E8%8A%B8%E8%A1%93

次回は年内最後の稽古、伊藤拓也の担当回です。
どうやらこちらも課題が出ている様子ですが…!?
お楽しみに。

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