2016年1月16日土曜日

1/16 筒井チーム稽古②

出席者:荒川、鄭、楠、浦長瀬、鎌田、杉本

筒井チーム稽古2回目です。

本日は別の本番がある役者さんが数名欠席されています。
なおこのブログですが、欠席者へどんな稽古を行われたかの報告の意味もあります。
というわけで欠席されている方、ヒントになることがぼちぼち書かれている…かもしれないので、乗り遅れないように是非チェックしておいて下さいませ!

■チェックイン

今日は筒井さんが担当した第三回目の全体稽古でも行った、「チェックイン」から始まりました。
この場の皆、勿論四六時中この稽古のことばかり考えているわけではありませんよね。
そんな中ワークに臨むにあたって、それ以外の何を「さておくか」をあえてこの場で皆に言う、というものです。

何を「さておくか」を聞くというのは、その人となりが垣間見えて面白いものです。


・筒井
そんなにコアなファンというわけでもなかったのだがデヴィッド・ボウイが亡くなったことを引きずっている

・浦長瀬
SMAPファンなので解散騒動がショック

・楠
2月に出演する公演の台本が出来上がったが出来るまでが色々大変だった

・鎌田
図書館にベティ・ブルーのDVDを予約、ピザでも食べながら見ようと思っていたら出てきたのはVHSだったのでキャンセル

・荒川
自転車で出勤途中に車に衝突 治療が結構おざなりだった

あと、前回稽古欠席だった荒川くんの呼び名についても確認。
荒川君 荒川さん 涼也 アラ など
…大体荒川君荒川さんに行きつく、無理やり考えたら下ネタに行きつく(!?)とのことでした。

■エチュード

チェックインを終えワークへ移ります。
まずは病室を舞台に、入院患者を友人が見舞いに来た、というシチュエーションのエチュードです。
鄭さんだけ共通で2グループに分け、役も割り振りました。


①鄭⇒患者 荒川⇒その友人 楠⇒看護師(外科・途中で包帯を巻く)
②鄭⇒患者 鎌田⇒その友人 浦長瀬⇒看護師(内科・脈を取る 目や声の状態などをチェックし長居せずに去る)

なお、途中で病室に入ってくる看護師の二人へのカッコ内の設定・指示は、患者・友人役には知らせずに、二人だけにこっそりと伝えられました。
また友人役は、患者に入院の理由は聞かないで欲しい、病気のことはひとしきり聞いた後という状況で、その人とどう過ごすかということを意識してやって欲しい、そして患者役の鄭さんは周りに委ねてやって欲しい、と指示がありました。

鄭さんは2人の友人に対して、気を使ってくれているのをすごく感じる、話の切りだし方が難しいだろうと思ったとのこと。二人の看護師に対しては、登場で場がフォーマルな印象になった、楠さんが時間をかけて包帯を巻いたり二人の会話にも切り込んでくるのに対して浦長瀬さんはさっとやることをやって行った印象。

荒川さんは金魚の白点病の話を。その理由は、なんでも良かったが笑いが欲しい、自分の話しやすい近況を話したとのこと。興味持ってもらえない可能性がある、博打やなあwと筒井さん。

鎌田さんはあだち充のマンガ・H2全36巻を差し入れに。
その理由は入院してる人は暇なので何か持っていきたい、私がいなくなったあとの時間は長いなあと思い時間を埋めてもらえるように持っていったとのこと。なお実際に読んでるそうです。荷物になるというイメージは無かったのかと筒井さん。どうしてもらってもいい、無責任に訪問しました、とのこと。

■病室のエチュードを振り返る

このエチュードの解説です。

まずこのエチュードの構造として、最初患者・友人の2人は2人のプライベートな空間を実現化するための演技をしていたわけであるが、看護師の登場により、フォーマル・・・言い換えればパブリックな空間に成り、友人はそれ以降ほぼ黙る状態になる。そこにはそのパブリックな空間を壊さないでおこうという友人の判断がある、とのこと。

あと外科看護師役の楠さんは、包帯を巻くという動作がある故パブリックな時間が長く、目に見えて仕事をしている感があるのだが、さっと帰った印象を持たれた内科看護師役の浦長瀬さんの方が、実は高度なことをやっていたりする。
そういった理由から、実際に内科の看護師は、外科の看護師に対してズルい(わかりやすく医療行為をしていると思われやすいから)、と思うことがあるらしい。

■今回の上演が目指すもの

続いて筒井さんより、俳優が何らかの役としてでは無く、その人自身としてそこに居ることを核として舞台作品を提示する所謂ポストドラマ演劇と呼ばれるものこそ、このゾンビ企画が目指すものであり、先ほどの外科と内科の例を出すなら、内科的―実は高度ではあるものの観ている側にはわかりにくい伝わりにくい可能性もあるが、俳優が役を演じ長台詞を熱弁するような、外科的なわかりやすさのあるものではない上演を行おうと思っている、とのことでした。

■ピクニック

というわけで次は第一回目の稽古でも行ったピクニックのワークです。
前回と異なり客席と舞台をきっちりわけて行いました。
そして以下の3つを特に意識して行ってほしいと指示が。
・ピクニックであること
・自然であること
・お互いの名前を呼ぶこと


その後の振り返りでは、
・ピクニック要素は何だった?→天気の話 お菓子で乾杯 輪になって座る 行楽・観光の時は今までに行ったことのある観光地行楽地が話題になることが多い

・ 自然さを実現させる要素とは?→声が小さい その輪にいる人とだけコミュニケーション出来ればいい 自然な形でピクニックをしよう、とする意識、ただし実際にピクニックにいった時もピクニックを成功させようとする意識はある、つまり日常でも何かを実現化させるには何かを実現化させる、という意思が常に働いているものだ

そして、第2ターンからは新たな要素が加えられました。
参加者が今正に「ピクニック」!!!と感じた瞬間、輪から外れ舞台面辺りまで出て、そのことを客ふりで喋り、何事もなかったように戻る(他の人は前に出ている人のことはスルー)、というもの。



…これ、見ている側としては中々笑えます。
例えば普通のカルピスでもおいしく感じる!とか、輪になって乾杯!とか、何でも思い出と言ってまとめる感じ!などなど…
筒井さんからは、もっとベタな、小さなところから始めてもいいのではという指摘もあり、今後返すごとにピクニック要素を的確に抽出出来るようになればいいな、とも。

■薬剤師トーク(?)

実は筒井チームには、現役薬剤師の鄭さんに加え、薬学に勤しんでいる学生が浦長瀬さんと杉本さんの2人、合計3人も薬学関係の女性がいます。前回稽古帰りの電車内でその事実が発覚。 
これ、かなりレアケースではないでしょうか…!

さてこのワーク、杉本さんが自劇団の稽古のため早退された為、鄭さん+浦長瀬さんのペアにプラス1人の3人でフリートークをしてもらうというものになりました。
内容はランチを食べに行った話から始まるが、途中から鄭さん+浦長瀬さんの二人はあとの一人を置いてけぼりにするくらい薬剤師トークを始めてほしい、とのリクエスト。

鄭さん+浦長瀬さん+楠さん
まずは鄭さん+浦長瀬さんに楠さんが入ってトークが始まりました。
ランチの話からいつの間にか二人の薬剤師にまつわるあれこれの話が出てきます。
予想通り、話している内容が全くわからないにも関わらず(笑)、二人の異常な盛り上がりを見ているのはかなり面白い!


 そして途中から放置状態となった楠さんからは・・・こうなるだろうなあと思ったらやっぱりこうなった ランチの話は自分が盛り上げようと思った 適度に薬学の話に参加し気を使わせないように心掛けた ただ実際にこういうシチュエーションがあったらもう少し話を振ってくれる・話に入れるのではないだろうか?などの感想が出ました。

・鄭さん+浦長瀬さん+荒川くん
次は楠さんに代わり荒川くんが入ります。
事前に筒井さんより、薬剤師の話が始まったら、序盤は若干追いかけるが興味を無くして、伸びをしたりスマホとかいじって欲しい、という指示が入りました。


しかし、まだまだこのお二人の話は盛り上がって面白い。
ただ筒井さんの指示の影響で、振り返りでは二人から荒川くんに申し訳ない気持ちになった、冷たい空気を感じたなど感想が出ました。

鄭さん+浦長瀬さん+鎌田さん
最後は鎌田さんが入ります。
筒井さんからは、二人が薬学の話で盛り上がり始めたら、タイミングを見計らい火山の話をしてほしい、との指示が。なぜ火山…?そう、鎌田さんは理学部地球学科卒。

※恐らく必死で地球学科時代を思い出してらっしゃいます、たぶん。
さて、3ターン目にも関わらず二人のトークの勢いは止まりません。薬学すごい。
時折岩石の話をぶっこむ鎌田さん。筒井さんからはもう少し頑張ってほしかったなあ、とのことでしたが健闘と言えるのではないでしょうか・・・


二人からは、話に入るぞという意思を感じびっくりした、話題見つけた感がすごかった、何であれ自分の好きなことを話している人は面白いんだなと思った、など。
鎌田さんからは、話に入るスキがなさ過ぎた、かなりの勢いで突入しないと別の話題を入れ込むことは難しいとわかった、とのこと。

まとめとして、この3パターンの構造について解説がありました。


完全に二人で薬学の世界を創り上げている鄭さん+浦長瀬さんに対して、

・楠さんの対応 友達+うまく話題に沿いつつ二人の世界の邪魔はしないというもの
・荒川くんの対応 話題についていけないため放棄・離脱するというもので友達感は当然減るが、二人の世界は壊れないというもの
・鎌田さんの対応 友達+二人の世界を壊しにかかる 自分の世界にしようとする

最後に筒井さんより、このワーク及びこれからの作品創りにおいて、その時間は何の世界なのか・何が離れ何が入っていくのか・何を常にその場で実現化させるのか、を意識して考えて創っていきましょう、との言葉がありました。

筒井チーム、しっかりとした作品コンセプトは既にありつつ、プラスアルファを色々楽しみながら試行錯誤しております。

以上三田村でした。

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